福島原発の影響 – uGy/h(グレイ) uSv/h(シーベルト)

 福島原発の影響によると思われる放射線変化を知る。

・事前知識

 ニュースで報道されているuSv/h, mSv/h(uSv=μSv{コンピュータ業界の慣例として、マイクロは単位系でよく使うが基本文字に含まれないためuを用いてμ:ミュー文字の代貸とする}マイクロシーベルト・パー・アワー、ミリシーベルト・パー・アワー)
 /h(パー・アワー)については、時速(km/h)などと同じで、1時間あたりと言うこと。
 m(ミリ)はmm(ミリメートル=1/1000メートル)等の補助単位と同様1/1000を表し、u(マイクロ)は更にその1/1000の事(つまり100万分の1)である。 後で出てくるn(ナノ)は更にこの1/1000であり、10億分の1という極めて小さいことを示す単位である。
 Sv(シーベルト)は単純な放射線の量ではなく、人体に与える影響について算出している値で、単純な空間線量Gy[グレイ]に放射線の種類(β[ベータ]線・中性子線等)荷重(β線は1.0、中性子線の最大の物で20.0)と吸収部位荷重(肺は0.12、皮膚は0.01等)総和を乗じた値になる。
医療等で局所的に照射しているわけでない場合、吸収部位を詳細に知ることは困難なので、基本的に吸収部位荷重は1.0。
すると、リスクの高い中性子線の場合において、
Sv = Gy * 20
であり、1.0[Sv] = 0.05[Gy]=50[mGy]である。
 シーベルトでは短時間に
400mSvを受けると吐き気を催すことがある。
2Sv[2000mSv]を受けると5%が死亡する。
4Sv[4000mSv]を受けると50%が死亡する。
と言う急性症状を示すとされる(いずれも成人; 200mSv以下の場合、急性症状は殆ど生じないとされる)
通常、宇宙や土中等からの放射線により、一般の人でも年間数mSvは受けているし、CTスキャン検査では1回で数十mSvを受ける。

・茨城県の環境放射線情報

放射線テレメータ(茨城県 平成21年度統計)
>ほとんどのデータは20~59nGy/hの範囲にありました

放射線テレメータ(茨城県 10分遅延更新)
記事投稿時現在 Max:1043[nGy/h]、Min:128[nGy/h]
=21年度の中央値の25倍程度に増加している

で、これらの値について、先の計算式などを用いておおざっぱに計算すると、平成21年度統計の20~59[nGy/h]の中央値39.5[nGy/h]を用いて、1日(=24時間)あたり39.5*24=948[nGy]、1年間(=365日)あたり948*365=346020[nGy]=346[uGy]
先の最大シーベルト換算でも、346*20=6920[uSv]=6.92[mSv]である。

記事投稿時の最大値である1043[nGy/h]環境にいるとして、1日で25032[nGy]=25[uGy]、1年間で9125[uGy]=9.125[mGy]
この値からの最悪シーベルト換算でも、182.5[mSv]だから、先に示したCTスキャン検査を数回受けた程度である。 182.5mSvと言うことは200mSv以下であるから、1年分(8760倍)を短時間に受けても1時間くらいなら即健康に影響と言うことは無いことになる。

なお、測定点は屋外だが、コンクリートは相当量の放射線を遮るので、放射性降下物を十分落としてコンクリート建物内に避難すれば影響を削減できる。

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