YAESU FT-4600が故障した。
2mを同時受信すると左がスケルチダイアルに関係なくオープンしっぱなしでSメーターが振れない。
430を同時受信すると左は正常で、右が同じ不良。
別のリグで2mで送信してみると右のチャネルは正常に音が出るが、左は音が割れる。
Sメーターは振れないが、スピーカからの空線状況が変わるので、IFの同調は出来ているようだ。
と言うことは、FM復調系の障害かと思われた。
蓋を開けて裏側をみるとFM復調基板にMC3372が2個乗っていた。 サービスマニュアルこそないが、MC3372のデータシートはネットに落ちているので拾ってきて、Muteピンをいじると2m同時受信時は左側が左表示のチャネルをデコードしていて、430同時受信時は左右が入れ替わってデコードしていた。 つまり、左のデコーダ不良。
右デコーダは正常なので、SUB操作で左右を入れ替えて右回路と比較しながら各点のシグナルをチェックする。
左の石のピンは電圧をかける系のピンが軒並み電圧不足だったり電圧が振れたりしていた。 特にVccが振れていたので、MC3372が壊れてオーバーカレントで振れているか、電源回路不調でMC3372への給電異常でデコードが不安定になっているようだ。
左回路の大きめなチップコンデンサのシグナルがおかしい感じだったので、並列にコンデンサを当ててみると音割れがやや収まった。 コンデンサの容量が抜けて不安定になっているっぽいので、手持ちのコンデンサと張り替えしてみると音割れがほぼ改善した。
しかし、スケルチは開きっぱなし、Sメーターは振れない。
復調基板に半固定抵抗が6個付いているのだが、左端のを回すと左のスケルチが閉じた。 左から2個目の物を回すと左のSメーターが伸びた(ベース値) 3個目の物は目に見える変動はない。 4個目は右のスケルチ、5個目は右のSメーターが変化したので、左右3個ずつの調整VRのようだ。
左のスケルチ調整をしてフロントのスケルチダイアルでMC3372に適当なスケルチ電圧が入力できるように調整できた。 Sメーター調整VRをいじっても、入感時のSメーターふれは2ゲージ程度で、右でフルスケールで振れる状態でも、左は振れない(コンデンサの容量があわずに耳に聞こえる信号は回復したが、検出レベルが落ちてしまっているのかもしれない)
まぁ、Sメーターは振れなくてもそれほど困らない(レポートを送るときにちょっと困るかもしれないが、SUBボタンで一時的に入れ替えれば良い)ので、下手に手を出して壊したらあほらしいのでこれでとりあえず修理終了。 サービスマニュアルがあれば調整できるんだがなぁ。